まちの保健室 津田助産院 大阪岸和田

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B-plus ビープラス 経営者インタビューに掲載されました

インタビュアー 石黒彩 (元モーニング娘。)

石黒 大阪府岸和田市の津田助産院さんは、南海本線・和泉大宮駅から徒歩10分とアクセスがいいですね! 津田代表は、助産師として長いキャリアをお持ちだとか。

津田 ええ、助産師歴は25年以上になります。長く総合病院で勤務し、これまで1500件以上の分娩に携わってきました。ただ、大きな病院ではどうしても患者さんが集中してしまい、一人ひとりに十分に寄り添うことが難しく、妊婦さんのお話をじっくり聞いて理解する時間もなかなか取れなかったんです。そんな中、助産院を開いている友人の姿に触発されて、2019年に分娩施設を備えた助産院を開業しました。地域の皆さんが安心して出産・子育てができるよう、全力でサポートをしています。

石黒  ホームページを拝見すると、助産院での出産だけでなく、自宅分娩のサポートも行っておられるんですね。対応エリアはどの辺りになりますか。
 
津田 岸和田市を中心に、大阪市内まで出向いています。妊婦健診も訪問で対応していますし、大阪市内の総合病院とも連携を取り、産後ケアも行っていますよ。当院は、誰もが安心して相談できる“まちの保健室”のような存在を目指しているんです。
 
石黒 「保健室」と聞くと、小中学校の頃、体調が悪いときにお世話になっただけでなく、ちょっとした悩みを聞いてもらった場所というイメージがあります。
 

津田 本当にその通りですね。ですから、ここでは妊婦さんやお母さんの声を“聞く”ことを大切にしています。その方の生活や背景、ご家族のことまで、なんでも話していただきたいと思っているんです。
 
石黒 傾聴って、大切ですよね。私は総合病院で3人出産しました。当時、妊婦健診の予約をして行っても2時間ほど待たされたのに、診察時間はあっという間で、不安になることも少なくなかったんです。病院サイドがしっかりコミュニケーションを取ってくれるだけでも、妊婦さんの安心感は全然違うと思います。ところで、津田代表はほかにも多彩な活動をされていますよね。

津田 はい、24時間体制でさまざまな相談に対応していて、例えば、小中高等学校での性教育の出前授業も行っています。また、女医の妹から「日本の性教育では、多様性についてもっと伝えるべきだ」という意見を聞き、2020年には「産まれる前から多様性」というスローガンのもと、LGBTQ+支援と普及活動を目的とした「レインボーカフェ in 岸和田」を立ち上げました。ここでは、セミナーや教室、講師派遣、地域コミュニティ、イベントなどを通じて、性的マイノリティへの理解とサポートに取り組んでいるんです。そのほか、地域の助産師の役割についてラジオでも発信しています。

石黒 すごい! 産前産後のケアにとどまらず、誰もが安心して相談できる、まさにみんなの保健室ですね。津田代表が一歩踏み出すことで、性教育やLGBTQ+への理解が地域全体に広がっていく可能性もあると感じました。
 
津田 そうなってくれたら、本当に嬉しいですね!
 
石黒 “まちの保健室”の先生として、妊婦さん一人ひとりと丁寧に向き合いながら、命に関わる責任あるお仕事をなさっている津田代表。その大きなプレッシャーを乗り越える原動力、やりがいはどこにあるのでしょうか?

津田 病院勤務とは違い、ここではすべて自分で判断し対応しなければなりません。母子の命、ご家族の人生を預かる仕事です。必要であれば、自分の判断で病院に搬送することもあります。元気な赤ちゃんとお母さんを無事に送り出せること、その“当たり前”が、私にとってのやりがいですね。
 
石黒 今日は多彩な活動のお話をうかがって、発信することの大切さをあらためて感じました。地域ぐるみで現状をより良くしていこうという、津田代表の強い探求心と熱意が素晴らしいです。たくさんの命と、未来の子どもたちが生きやすい環境づくりを、この岸和田から広げていってください!

「仕事を楽しむ」とは‥

母子ともに、元気に送り出すことが私の使命です。やり遂げることが、何よりの喜びであり楽しみですね。

(津田育久子)